4月に入社した新入社員は、新しい環境の下で約一ヶ月を過ごして、随分と頼もしく育っているかもしれない。
「私は褒められて伸びるタイプですから・・」と、のたまう新人を苦々しく見ている先輩社員の苦労を、うかがい知ることができます。
そもそも、叱られてばかりでは仕事を続けていく上でのモチベーションを維持することが難しいと考えます。
適度に褒め、適度に叱る。人を育てていく上では、この塩梅が難しいのでしょう。
ほめるから、叱られて省み、
叱るから、ほめられて喜ぶ。
太陽と雨で木が育つのに、どこか似ている。太陽だけでは干からび、雨ばかりでは根が腐る。
照って、降って。その上手下手が人づくりを左右する。2013年4月25日「天声人語」より
褒め方には注意も必要だ
しかし、闇雲に褒めてばかりではいけない。
褒め方にもコツがあって、これを間違えるとその後の成長を阻害しかねない。
頭が良いとほめられた子どもは、気分は良くなるが、同時に失敗を恐れるようになる。成功しなかったら格好が悪いと考え、難しい問題への挑戦を避ける。
努力をほめられた子どもは、結果がどうなろうとも、失敗を恐れずやってみようと思うようになる。書籍「その科学が成功を決める」より
多くの場合、その人の能力や目の前の実績を褒めることになりがちではないだろうか?褒める対象として、そのほうが分かりやすく安易であるからだ。
さらに一歩踏み込んで、なぜそれにチャレンジしようと考えたのか?失敗を恐れずに努力したことにフォーカスして褒める必要がある。
特に人格形成のできていない子供には大きな影響を与えるだろう。
天才子役が長じて大成しないのに関連しないか?
昔から世に天才子役と呼ばれてきた多くのタレントがいる。
彼ら彼女らが、成長して立派な大女優・大御所俳優になるかといえばそうとも限らない。むしろ、過去の栄光に押しつぶされて「あの人は今・・」といったテレビの企画に時折顔を見せるのが関の山だろう。
なぜ、天才子役は大成することが少ないのか?
褒めの法則に当てはめるとしっくりくる。
小さな頃から「天才だ!」と能力を褒め称えられた子役は、次第に「成功しなかったら格好悪い」と考えるようになる。
自然に新しい演技や、踊りや歌といった他のジャンルに挑戦をしなくなる。
天才子役は「子役」として「天才」なのであって、大人になって同じことをしても注目する人は少ないだろう。
天才子役の将来をつぶしてきたのは周りで、もてはやした大人たちなのだ。
叱るほうは忍耐が大事だ
例えば、子供を叱るときに「いつも言っているでしょう!」と、やってしまったことは誰にでもあるだろう。
この言葉が、どれだけ子供にとってマイナスに作用しているのか考えてみただろうか?
以前、叱られたことを覚えていながらしてしまったのか?
それとも叱られたことを忘れてしまったのか?
どちらの場合でも、子供は、「あ~やってしまった!なんて自分は覚えられないんだ」という自責の念にかられてしまう、
子供とは、そういうものだ!と割り切るしかない。
叱るときには毎度、初めて注意するような態度で接しなければいけない。
親にこそ、忍耐が求められているのだ。
まとめとして
「褒められて伸びるタイプ」まことに素晴らしいことです。
子供時代は子供らしく!天才でなくとも良いと思います。
将来、グ~ンと伸びる、褒め方・叱り方を心掛けたいものです。