アベノミクスと呼ばれる、経済政策の効果が出ているようです。
今年の夏のボーナスは昨年に比べて、64,000円増加。夏のレジャー費用も増加傾向となっています。
上向きの景気循環がやってきた?
これまで日本経済を苦しめてきたデフレスパイラルは、物が売れない → 価格を下げる → 利益が出ない → 従業員の給与を下げる → 従業員が消費を手控える → 物が売れない。
上記のような負の連鎖、悪い循環を繰り返してきた結果になります。
デフレスパイラルから脱する方法は、これと逆向きの景気循環が必要になります。物が売れる → 価格を上げる → 利益が出る → 従業員の給与に還元 → 従業員の消費活動 → さらに物が売れる。
日銀による異次元の金融緩和などの政策により、一時的に円安・株高が起こっています。これにより輸出企業を中心とした産業に想定外の利益が出た格好です。この場面で従業員給与に再投資をしないと上向きの景気循環は決して起こりません。
実はこれまでに何度か、今回同様の局面がありました。しかし、その度、企業は内部留保に努めて、設備投資や人材の再投資を控えました。消極策をとり続けた結果が長く続いたデフレスパイラルの遠因だといえます。
ようやくいま、上向きの景気循環の端緒となる兆候があらわれています。
賞与ではなくベースアップが必要
第一段階としては、夏のボーナス・冬のボーナスと、賞与という形で収入が増えるというのも良いでしょう。しかし、本当に大事なことは月々の給与が上がること。賞与のアップではなくて、ベースアップが必要です。
上向きの景気循環に必要な消費者の心理は、安心して消費できる環境づくり。それには一時的に増加した賞与よりも、継続的に暮らしを支える給与が上がるほうが好ましく、消費者はより安心して、消費活動をすることに繋がります。
まとめとして
アベノミクスにより、円高が解消されたり株が高くなったりしたのは、一時的な現象に過ぎないでしょう。せっかく動き出した歯車を動かし続けるために従業員への配分が欠かせません。
とても大切な兆しをあらわした報道だと感じます。しかし重要度に比して新聞紙面での扱いが小さすぎるように感じるのは私だけでしょうか?