オリンピックのメダルといえば、獲得したメダルを噛むアスリートのシーンが思い浮かびます。
90年代に始まったとされるこの慣習は、ソチオリンピックから様相が変わり。メダルは噛むものではないことがスタンダードになりました。
出典:infoseekニュース「銀メダルを手にする竹内智香」
ソチオリンピックからメダルを噛まなくなった理由
日本オリンピック委員会(JOC)の竹田恒和会長の長男、竹田恒泰氏(慶大講師)がツイッターに投稿したことが端緒となった。
メダルを取る可能性のある日本選手へ。(1)メダルは噛むな。品がない上に、メダルを屈辱することになる。(2)国歌君が代は聴くのではなく歌え。国歌も歌えないのは国際人として恥ずかしい。また、日本には国歌斉唱時に胸に手を当てる文化はない。直立不動で歌うこと。
— 竹田恒泰 (@takenoma) 2014, 2月 8
メダルを噛まないようにJOCから選手に通達があったという情報が流れていますが、私はその真偽はわかりません。本件について、父とは会話をしていませんし、私からJOCに意見具申をした事実もありません。
— 竹田恒泰 (@takenoma) 2014, 2月 15
ソチ五輪に出場した選手たちはみな立派だ。メダルは噛まないし、国歌は歌っているし、見ていて感動しました。実に素晴らしい。かつての五輪では、物議を醸した選手もいたが、今回は違う。世界の舞台で活躍する日本人には、立派に振舞って欲しいと思う。
— 竹田恒泰 (@takenoma) 2014, 2月 21
一方で、メダルを獲得したアスリートも、メダルを噛むことに抵抗感を持った人もいたようで、良い機会となったようです。
ノルディックスキー複合の個人ノーマルヒルで、銀メダルを獲得した渡部暁斗選手
メダル噛んで写真撮るのにはあまり乗り気じゃなかったから、避ける理由ができて良かったというのが本音。
— Akito Watabe (@WTBAKT) 2014, 2月 15
マスコミがメダルを噛ませる理由とは?
マスコミというか、カメラマンがアスリートにメダルを噛むことを要求するシーンがあるようです。
アスリートにとっては、メダルを獲得した直後の高揚感もあり、その場のサービス精神も助けて、要求されたポーズ(メダルを噛む)をとる。
一方、カメラマンとしては、アスリートがメダルを噛む場面は、お約束的シーンなので抑えておきたいショット。使われるかどうか分からなくても、一応撮影しておきたいのが本音です。また写真として、アスリートの顔とメダルが同じフレームの中に収まるので、ニュースなどに使われやすいという理由が挙げられます。
最初にメダルを噛んだアスリートはオーストラリアのアームストロング選手であるとされています。
参考記事:「メダル噛むの禁止」そもそも何でメダルを噛むの?(NAVERまとめ)
現在では、金メダルが金でできていないので、真贋を確かめる意味での噛むという行為は意味がなくなりました。
噛むことでメダルの所有権を誇示するのではないか?
テレビのバラエティ番組にメダルを獲得したアスリートが出演すると、決まって「メダル持ってきました」という流れになります。
勿論、アスリート本人の意志でメダルを持ってきているわけではなくて、番組の制作側から持参するよう要求されてのこと。制作側としてはメダルという素材を利用して、少し盛り上がることができればOKです。アスリートとメダル、そこにお笑い芸人なども加わって、メダルをタレントの首にかけたり、「もらってもいいですか?」なんてコメントが出ればそれで十分です。しかし、どんなに調子に乗った芸人でも、本人に代わってメダルを噛むことには遠慮があります、これが出来る人は少ないでしょう。
何故、他人がメダルを噛むことに遠慮するのでしょうか。
これは竹田恒泰氏が指摘する通り、メダルを噛むという行為は、不遜な印象を与えるから。また、多少なりともメダルを傷つけてしまうことへの怖れから生じるかもしれません。
つまり、メダルを自由に噛んだり、傷つけたり、他人の首にかけたりすることができるのは、それを所有するアスリート本人の権利であることがわかります。
故にマスコミは、メダルの所有権を示す象徴として「アスリートがメダルを噛むシーン」を欲するのではないかと思えます。
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まとめとして
ソチオリンピックは、スノーボード・スキーのアルペン競技を中心に楽しんでいます。100分の1秒を争う過酷なレースは、選手の数だけドラマがあると言ってもいいでしょう。特に一歩間違えれば生命の危険も伴う「滑降」などのスピード系競技には興奮します。
アルペンスキーのメインイベントである、男子回転競技が楽しみです。