自宅を売却しようとするとき、売主様が一番不安になるのは見学の頻度が少ないことです。
新聞の折り込み広告などに大々的にチラシを出して、多くのお客様を集めればすぐに売れると考えがちです。しかし、現実は少し違います。
あなたの家を欲しがる人を100人、集める必要はありません
たしかに見学する人が多いことは、ありがたいことです。
沢山の人に物件を見てもらえば、そのなかから気に入る人が現われるかもしれません。
しかし、ご自身の体験として、毎週・毎日のように、新聞に折り込まれる不動産のチラシをどれほど興味を持ってご覧になっていましたか?
同じような物件が沢山並んでいる新聞折込や、ポストへの投函チラシの反応率はどんどん下がり続けています。
家を売却する人と話しをする中で、私は結婚に例えることが多くあります。
お付き合いした異性は沢山いたかもしれませんが、結婚するときはそのなかから、たった一人を選びます。
それまで全くお付き合いをしなかった人が、会った瞬間に運命を感じることもあるようですね。
自分が住むことになる物件とも、そんな偶然の出会いに左右されることが多いように思えます。
冷やかしのお客様なら100人いてもしょうがないのです。
徹底的に強みを引き出す
それでは、一体どうすればいいのでしょうか?
これも異性や結婚相手をイメージすると分かりやすくなります。
身長・年齢・収入・学歴・肩書・家柄など、これらがより良いことに越したことはありません。
しかし、それらを持っていないことで引け目に感じたり、変に取り繕ったりしている人にあなたは魅力を感じるでしょうか?
無いものはないと開き直り、自分の強みを堂々とアピールする人のほうが魅力的に感じるでしょう。
不動産も同じです。
弱点をいくら補おうとしても限界があります。それよりもあなたの物件にしかない強みを探しましょう。
その強みは、個性的であればあるほどアピールがし易く、パワーも圧倒的です。
もう、他の物件と比較されたりはしなくなるでしょう。
強みはどうやって見つければいいか?
人が自分の姿を見るために鏡を使わなければいけないように、自分のことは良くわかりません。
不動産も全く同じです。住んでいる当人は、自宅の強みに気づいていないのです。
では、どうすれば自宅の強みに気づくことができるのでしょうか?
一戸建てを売る!早く・高く・有利に売却するストーリーとは?を参考にするとドンドン分かってきます。
- 自分が購入した当時のことを思い返す
- 引越し前にはどんな夢を持っていたか?
- 住み始めて気づいたことはどんなことだったか?
- 住んでいて意外に思ったことはなかったか?
- 自宅に招いた友人はなんと言っていたか?
- 自宅を売るにあたって寂しいことはどんなことか?
家には少なからずエピソード・ストーリーがあります。
それは家族にまつわることであったり、不動産自体のことであったりします。
私は思いつくまま、箇条書きにメモしておくことをお奨めしています。
メモがある程度、溜まったときに売却担当の営業パーソンに相談してください。
担当営業は不動産のプロフェッショナルであっても、特定の不動産にまつわるエピソードを知る機会はありません。
きっと、あなたが集めたメモは、担当営業にとって秘密の扉を開ける鍵のようなものです。
ストーリーがあると物件は売却しやすい
物件にストーリーがあると、とたんにお客様に紹介がし易くなります。
その理由の一つは、ターゲットとなるお客様が明確になるから。あとはそのストーリーを繰り返し紹介するだけです。
ストーリーに共感する人は必ず現われます。
共感してくれる人には、競合する物件と比較されることもありませんし、売り出しの価格でどうこう言われることもありません。
あなたは、100回お見合いをする必要はないのです。たった一人、あなたを無条件で気に入ってくれる人が現れればそれだけでいいのです!
まとめとして
今回、紹介したことは、不思議なことでもなんでもなく、不動産営業であれば誰でも、必ず経験したことのあることと言っていいでしょう。
自宅不動産を売りたい人と、家を買いたい人が、一つのストーリーを通じて引き寄せあう。
こういう経験を一度でもすると、不動産営業の醍醐味を感じて、この業界から離れられなくなってしまうのです。