最近、懇意にしていただいている方に「多摩境の駅前とかにお店を出さないの?」と訊かれました。
私が不動産業を営んでいること、自宅を事務所にしていることは、以前からこの方に話しをしていて、知ってくれています。
しかし、不動産屋らしく店舗が駅前にドーンとあって、お店の壁一面に物件情報がペタペタ貼っていないと、どうも不動産業者らしくなくて、居心地が悪いような気分があったのでしょうね?
「なぜ、お店を構えないのか?」
尋ねられたその場で、お答えしたのですが、十分に伝えきれなかったこと。また、同時に、これは当社の企業理念にも通じる大事な問いでもあるので説明していきます。
事業を通じて社会貢献することが目的
クラッシィハウス株式会社は事業を通じて得られた利益のなかから、社会貢献活動を行う事業や団体に寄付することで、社会貢献することを目的としています。
- 関連する過去記事もご覧ください。
- お客様に誇らしい気持ちを!事業を通じて社会貢献するということ
- 長く続けること、継続することがとても大事です。
- 辞めないことが、少しずつ社会貢献に繋がります。
- 粛々と業務を継続することで、存在意義を示していきたいと考えます。
- 店舗を構えて、歩いている人の目を惹いて入店してもらう。
- 突然、フラッと来店されるお客様にも対応したほうが良いのではないか?
- 駅前に路面店を出店。
- 仲介手数料○○%OFF。
- キャンペーンを謳った新聞広告
[書籍]社会貢献でメシを食う。
この本に少なからず影響を受けています。
本書では「社会貢献でお金が儲かったらいけないことなのか?」ということが一つのテーマになっています。
社会貢献や慈善事業などが良いことであるというのは誰も疑うことがないでしょう。
宝くじなどで一時的にお金が入ってきた時に寄付をすること。それはそれで尊いことです。しかし、一度で終わらせてしまっては「昔はそんなこともあったな~」で終わってしまいます。
大事なことは継続的にお金を寄付にまわし続けること。お金を流し続けることが社会貢献においては重要です。そのためには、社会貢献で儲かる(せめてメシが食える?)ことが重要だと本書で紹介されています。
最近の言葉で言うと「サスティナビリティ(sustainability)」持続可能性を高める事と同義だと思います。
途絶えてしまったボランティア活動
私の経験でなくて恐縮ですが、少し残念だったことを思い出します。
サーフィンを趣味として、(私からみると)一年中、海に通っている友人がいました。
彼は、毎日のように海に行くので、必然的に海の汚染や砂浜のゴミ問題・環境悪化などに強い問題意識を持っていました。
あるとき、彼はサーフィン仲間に呼びかけて、砂浜の清掃活動(ビーチクリーン)をボランティアで始めました。
残念ながら私は参加したことがありませんでしたので、詳しいことは分かりかねますが、多いときには50人を超える参加者を集めるイベントになったと聞いています。
浜もきれいになり、この活動は地域の人達からも歓迎されていたようです。志を同じくする多くの友人に支えられ、彼自身も輝いていたことでしょう。
その後、久しぶりに彼に会う機会がありました。私は、しばらく忘れていたビーチクリーンのこと、今はどうしているのかを訊いてみました。
彼は、あまり喋りたがらなかったのですが、結果的にこのボランティア活動は長く続かなかったと言います。様々な理由はあるようですが、彼も含めた主要なメンバーがなかなか参加できなくなったことが原因のようです。
若く、情熱があるうちは、それだけでも続くかもしれない。しかし、誰しも家庭を持って、子供が生まれたりすると、奥さんへ気兼ねすることが多くなる。
結婚当初、夫の慈善活動に理解を示していた妻も、次第に忙しくなる学校行事などで自然に夫への依存も強くなる。
忙しくやり過ごして、やっと迎えた週末に夫が出かけていくのを快く思わないのは想像がつきます。
もし、その活動(ビーチクリーン)に、なんらかの報酬(お金)が発生していたら、奥さんの溜飲も少しは下がったのかもしれません。
彼は今では、なんとなく気兼ねして、その浜には近寄れないでいるという・・・。残念です。
継続すること・やめないことが一番大事
もともと、こういった考えがベースにありました。事業を始めるにあたり、運営上でランニングコストがかかる、店舗を借りることは選択肢にありませんでした。
店舗を維持するための賃料や光熱費など、余計なものが掛らなければ、その分だけ寄付にまわせると思っています。
結果として、時間のかかることにも取り組める
事業である以上、利益を追求することは当然であるといえます。しかし、短期的な売り上げや、目先の利益を追い回すことを好みません。
クラッシィハウスでは、このブログを含めて、幾つかのサイトによる情報提供をしています。
これは、多摩境に住む人も、そうでない誰かにも、役に立てば良いと思い続けています。
このような時間のかかる作業にもランニングコストを最小限にしたことで、余裕を持って取り組むことが出来ます。
こんなことが言えるのも賃貸の営業をしていないから
このように、考える方も少なくないかもしれません。
しかし、カフェなどの飲食店や、雑貨・衣類を扱う店舗と不動産業では、お客様の来店目的・来店頻度は全く違います。
「ちょっと通りかかったらカワイイ物件があったから買っちゃった!」なんてことがあったら不動産屋として嬉しくなってしまいます。( ̄▽ ̄)
その駅に降り立ち、「とりあえず不動産屋に行こう!」となるのは、今では賃貸物件を探しているお客様だけといって良いでしょう。
今では、お客様があらかじめインターネットの掲載物件をチェックして、目的の物件を目指してお問い合わせされます。
お客様と始めてお会いする場所は、ご自宅であったり、最寄り駅の改札口、物件の近くであることがほとんどです。
当社は「賃貸の営業をしない!」と決めた時点で、店舗を構える必要性がなくなりました。
まとめとして
easy come easy go.
「簡単に手に入ったものは、直ぐにその手を離れる」英語のことわざだそうです。
これらの伝統的集客方法を用いれば、一定のお客様を獲得することが出来るでしょう。(最近では、これらの手法に効果が小さくなっていると聞きますが・・・)
一時的にお客様の支持を得られても、それは長続きしないと考えています。
そういったお客様は、また次の新しいキャンペーン、新しいチラシが出たときに、そちらに乗り換えてしまうからです。
「自分も住んでいる多摩境で商売をする」と決めた時から、地に足のついた営業方針を徹底したいと考えています。
このブログも当社の企業理念などを理解していただくことが目的です。
少しでも共感していただける人がお客様にいることが、クラッシィハウスの目指しているところです。
今回、この記事を書くにあたり、コンテンツラボ河野竜夫さんのポッドキャスト「禁煙と英語学習とビジネスの不思議な関係」が刺激となりました。楽しいネット放送なのでこちらの聴取もオススメします。