制約があるから美しい!建物デザインとギザギザを生む斜線規制

マンションや一戸建てにも、様々なデザインの建築物があります。

上は多摩境「マイキャッスル多摩境フィール」「ルネグランディア」

そもそも、建築物のデザインはどのようにして決まるのでしょうか?


広大な敷地を用意して、建築家に「どうぞ、先生のお好きなように設計してください 」とオーダーしたら、建築家の多くは困ってしまうでしょう。

    マンションであれば分譲する売主から

  • 4人家族向けの90平米以上・4LDK—60%
  • 3人家族までの80平米前後・3LDK—30%
  • 2人居住用に80平米未満・~3LDK—5%
  • 最上階・角部屋等、100平米以上—5%
  • ——上記の条件を満たして200戸以上——-
  • 等といった制約が設計前に示されます。

    さらに他の成約として

  • 敷地の形
  • 敷地の建ぺい率・容積率
  • 用途地域ごとの建物の高さ制限
  • といったものが付加されます。

個々の制約を踏まえ、最良の形を具現化したものが最終的な建築プランであるといえます。

マンションのギザギザを生み出す斜線規制

マンション端の方がギザギザの形になっているのをご覧になったことはありますか?
あれは斜線規制による制約を受けてあのような形になっています。

    高さ(斜線)制限とは?

  • 道路斜線制限
  •  道路、上空の空間を圧迫させないため

  • 隣地斜線制限
  •  隣の敷地の日照権保護と上空圧迫感低減のため

  • 北側斜線制限
  •  影を落とす北側敷地の日照権を守るため

    以上の三つ、ココは試験に出ます(笑)

あまりに専門的なことは割愛しますが、下が斜線規制のイメージ図です。
上図は
(参照サイト)パナソニック「すむすむ」
よりお借りしました、
もっと、詳しく知りたい方はこのサイトへ!


斜線制限イメージを指示線として加筆しました。

まとめとして

設計をする建築家も「いつか自分の思い通りの設計をしたい」
一度は考えるものですが、何も制約がない環境で、全く新しいものを生み出すのは、想像以上に困難なものでしょう。

どんな仕事であっても制約は存在します。
人付き合いや家庭のなかにも制約がありますね。
それらと折り合いをつけることを、もっと楽しむべきであると考えます。

私は変わった形のマンションや一戸建てを見るたび、
制約に折り合いをつけた建築家の苦労を慮り、
そこにチョットした美しさを感じてしまいます。