良い文章は読者を時空の旅に誘う!母の記憶運ぶキンモクセイの香り

良い文章は、スッと読者のなかに入ってきてグイグイ読ませる工夫がされている。

ときには、読者をともない時空さえもやすやすとさかのぼる。朝日新聞の読者投稿欄「ひととき」に良い文章の実例を求めてみた。

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時間が巻き戻る記憶の旅

書き出しで読者の心を掴んでしまうと、いとも簡単に記憶の時計を巻き戻すことができる文章の好例だ。

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金木犀の香り

文章構成の時間軸

  • (現代)キンモクセイの香りを好きと言われる
  • (10年前)母の臨終とキンモクセイの香り
  • (もっと前、新婚時代)遠くへ嫁ぐ子どもを心配する母の記憶
  • (再び10年前)キンモクセイの香りに寂しさを忘れる
  • (現代)亡くなった母への呼びかけ
  • 10年前、そして現代・・・。時間の行き来は、映画やテレビドラマでも頻繁に見られる手法です。

    しかし、実際に文章でそれをやろうとすると、よほど注意をしないと上手くいかないでしょう。映画やテレビドラマでは、「それより10年前」とか「それから10年後」などと、わざわざテロップを入れているくらいなのですから。

    毎週配達に来てくれる生協の女性に「キンモクセイの良い香り、私好きなんです」と言われた。特別なことではないけれど、ちょっとした共感する気持ちが、キンモクセイの香りに秘められた特別な記憶へとリンクする。

    悲しみにくれた母の死に、区切りをつけてくれたのがキンモクセイの香りであった。その柔らかな香りに包まれた時に、「母が来ている」と近くに感じることができたという。

    遠くへ嫁いで、ガランとした娘の部屋で、母はひとり泣いていたという。距離と寂しさを埋めるように、段ボール箱いっぱいに食べ物を詰めて送る、母からの手紙に涙がこぼれた。

    毎年、咲いてくれるキンモクセイの香りに元気をもらえる。今年も・・・来年も・・。

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