良い文章の書き方をマスターするため、実例から「良い文章」を考えます。

「良い文章」というのは、人それぞれにその「良さ」の基準が違うだろうから、簡単に「これが良い文章」と言い切ることはできないのだとおもう。

わたしは、不動産関連の仕事で報告書を書いたり、不動産契約まえに行なう「重要事項説明」という資料を作成することがあります。
いちおう、住宅・建築・契約に関する説明なので、法律用語などがドンドン出てきます。説明の途中、眠くなることなく、人に伝わる文章を、どうしたら書くことができるのか意識しています。

ひとつ、良い文章を書くためのヒントとして、自分が「良い!」と感じた文章により多くふれ、先人の術を模倣することが近道であると考えています。

先日、お手本にしようと切り抜いた、朝日新聞の読者投稿欄「ひととき」から「記憶の再生ボタン」を例にとって、良い文章の書き方を考えていきたいと考えます。
記憶の再生ボタン

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最初の一行目からの書き出しで引き込む

掃除中ふと、電話機に目が留まった。ディスプレーに留守番電話の録音メモリーがいっぱいという表示がでていた。

掃除機をかける風景。視線のはしに点滅する録音ボタンが目にうかぶようです。
点滅しているであろう録音ボタンは、緊急事態のサインを連想させて、読むものを引き込んでいく効果があります。

別の素材を例にひきます。
お茶碗
おなじく朝日新聞「ひととき」という読者投稿欄から。

4月になくなった祖父と、認知症で施設に入った祖母が暮らした家を・・・

この文章の書き出しは、説明から入っています。
どちらが良いとか悪いとか言うつもりはありませんが、前者の「記憶の再生ボタン」の書き出しの方が意外性を感じることができます。

もし仮に、「お茶わん もらうね」の書き出しが、

ふと目に付いたのが一組の茶わんだ。見覚えがある。2人が元気だった時、愛用していたものだ。

となっていたら、どうだろう。私はこの方が、書き出しとしてインパクトがでると思う。

「4月になくなった~」という冒頭の説明は、後にまわすこともできる。

つかみが大事!ということだろう。書き出しは、その文章全体を印象付ける効果がある。

記憶の再生ボタン

文章の素材は身近であるほど良い

ふたたび「記憶の再生ボタン」に戻る。

この文章で登場する「留守番電話」と「録音されたメッセージ」という二つの小道具。これが、誰にとっても身近な素材であることが、共感を呼びやすいポイントであるといえます。

筆者が、録音ボタンを押して聴いた、亡くなった祖母からのメッセージをきっかけにして、一緒に歩いた平和記念公園の思い出へとタイムスリップしています。

大学時代のエピソードを描くために、マーティーやドクとかデロリアンなどを必要としていません。ドラえもんもタイムマシンも登場させることなく、ただ、留守番電話があるだけです。

素材は、シンプルであればあるほど、多くの人の共感を得られると考えます。

共感をよべるポイントがあるか?

「赤ちゃんができたってね。おばあちゃん安心したよ。これからは体に気をつけて」
流れてきたのは昨年亡くなった祖母の懐かしい声だった。(中略)
「今日は、遊びに来てくれてありがとう。お小遣い、準備していたけど渡すの忘れてね、後で送るけんね」

やさしい祖母(もしくは祖父)との思い出。
こういうものは誰の心のなかにも大切にされているものなのではないだろうか。

読者の共感を得やすいテーマは、心に残りやすく、良い文章といえます。

先に述べた「バッグ・トゥ・ザ・フューチャー」を例にひいた場合。
映画を観たときの感想やエピソードを披露して、読者の関心や共感を得ることはできると思います。
しかし、自身のタイムスリップ体験や、タイムパラドックスに苦しめられたエピソードで、読者の関心を得ることは至難の業であるといえます。

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まとめとして

わたしが日頃から気になっていた「良い文章」について、すこし考えをまとめることができました。
良い文章を、たくさん自分のなかに入れることが、良い文章をうみだす最善の方法であると信じています。

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